自動走行でスマート農業 トラクターにGPSを搭載し実証


社会
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自動走行で植え付けを行うトラクターの操縦席。タブレット(左)にはトラクターの位置情報や作業状況が映し出される=4日、読谷村

 ゆがふ製糖やくみき、JAおきなわらが手掛ける、ICT(情報通信技術)を活用した「さとうきびスマート農業」の植え付け実証が4日、読谷村で行われた。衛星利用測位システム(GPS)機能を搭載したトラクターが畑を自動走行し、苗の植え付けを関係者に披露した。実証は久米島町と名護市でも行っており、この日は3回目。16日には国頭村で行う。県内各地でスマート農業を導入するという。

 畑地でトラクターの操縦は難しく、直線に植え付けを行うのは時間や労力が掛かる。手動で操縦する場合、走行速度は時速3キロメートルだが、自動走行であれば時速5キロメートルまで出すことが可能という。操縦席にはタブレットが設置され、走行補助のため人間が操縦席に乗務しながら、植え付け作業の状況を確認する。

 トラクターの走行ルートが記録されるため、トラクターのルートをたどってドローンによる自動の農薬散布ができる。今後はハーベスター(収穫機)の自動走行も実験を行う予定。

 くみきなどは、県内6カ所にGPS衛生の基準局を設置。読谷村の実証では、名護市に設けた基準局から回線をつないだ。くみきの上江洌進社長は「作業の短縮化や労力の軽減につながる」と期待を込める。
自動走行で植え付けを行うトラクターの操縦席。タブレット(左)にはトラクターの位置情報や作業状況が映し出される=4日、読谷村