久々の実践で好タイム 女子車いす800M優勝・喜納翼 日本パラ陸上


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車いすT54女子800メートル決勝 上半身をかがめ、トラックを駆け抜ける喜納翼=5日、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(日本パラ陸上競技連盟提供)

 喜納翼(タイヤランド沖縄)が、来年に延期された東京パラリンピックに向けて再スタートを切った。エントリーしたのは車いすT54女子800メートルで、メーンのマラソンではなかったが、3月の東京マラソン以来の公式戦で「少しレース感覚を忘れかけてる部分があったけど、久しぶりに走れて楽しかった」と競技ができる喜びを感じている様子だった。

 最近1カ月も沖縄は緊急事態宣言下で陸上競技場が使えず、満足な練習はできなかった。それでも大会がない期間中に上半身の筋力強化や車輪のこぎ方を突き詰めてきたことで、この日のレースでは自己ベストに0・61秒に迫るタイムを出し「だいぶ練習の成果が出てきている」と手応えをつかんだ。

 今季のトラック種目は今大会が最初で最後となる。2日目には400メートルと1500メートルに挑む。「悔いのないように、次のレースでトラック種目を終わりたい」と気合を入れる。

 11月には今季のマラソン初戦となる大分国際車いすマラソンがある。喜納は「トラックの走り方とも違うので、マラソンは実際に走ってみないと状態は分からない」と言うが、上り調子で11月を迎えるためにも「そこに向けていいスタートを切りたい」と2日目を見据えた。


 日本パラ陸上選手権第1日は5日、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われ、女子走り幅跳び(義足・機能障害T64)は昨年の世界選手権(ドバイ)を制した中西麻耶(阪急交通社)が自身の日本記録を更新する5メートル70で優勝した。男子走り幅跳び(義足・機能障害T64)では名護市出身の又吉康十(ゼンリンDC)が6メートル24のアジア新、大会新記録で頂点に立った。他の県勢は、女子車いす800メートル(切断・機能障害T54)で喜納翼が1分53秒60でトップ。男子200メートル(脳性まひT37)は石垣喜人(日本福祉大)が29秒34で3位に入った。男子走り幅跳び(義足・機能障害T63)は山本篤(新日本住設)が6メートル49で優勝し、同やり投げ(上肢障害F46)は山崎晃裕(順大職)が60メートル09で制した。