台風10号、南大東で最大瞬間51.6メートル 沖縄県内で518人が避難


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台風10号の暴風で屋根や壁のトタンがはがれた倉庫=5日午後6時5分、南大東島

 大型で非常に強い台風10号は5日夜、大東島地方を暴風域に巻き込みながら最接近した。南大東村在所で5日午後9時38分に最大瞬間風速51.6メートルの猛烈な風を観測した。台風は今後、勢力を維持しながら北上し、沖縄本島地方も暴風となる見込み。予想される最大瞬間風速は大東島地方で70メートルで厳重な警戒が必要となる。南大東村で飛んできたトタンが民家のガラス窓にあたり、窓が割れる被害があった。両村ともけが人は確認されていない。

 午後10時半現在、33市町村108カ所に避難所が設置され、全世帯に避難指示が出ている南大東村と北大東村で計146人、その他の県内30市町村で計372人の合計518人が避難している。

 台風は当初、特別警報級に発達して大東島地方に接近すると予報されたが、非常に強い勢力のまま接近する見込み。ただ、沖縄地方を離れるまで強さが継続するとみられ、引き続き厳重な警戒が必要となる。

 最大瞬間風速は大東島地方で6日にかけて70メートル、沖縄本島地方で6日にかけて35メートルの予想。最接近は沖縄本島地方は6日午前6~9時の見込み。

 波の高さは大東島地方で6日にかけて14メートル、沖縄本島地方で6日にかけて8~9メートルの予想で、猛烈にしける見込み。いずれもうねりを伴っている。

 6日午前0時からの24時間雨量は多い所で大東島地方、沖縄本島地方で共に200ミリとなっている。南大東村在所で4日午前0時から5日午後10時までの総雨量は175.5ミリだった。

 台風の接近と大潮の時期が重なり、大東島地方では6日にかけて警報級の高潮となる恐れがある。沖縄本島地方でも海岸や河口付近の低地での浸水や冠水に注意が必要となる。