東京パラへ好発進 男子走り幅跳びアジア新V・又吉康十 日本パラ陸上


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アジア記録を更新した又吉康十(ゼンリンDC提供)

 男子走り幅跳び(義足・機能障害T64)の又吉康十(ゼンリンDC)が、目標とする東京パラリンピック代表内定へ向け、幸先良いスタートを切った。自身にとってほぼ1年ぶりとなる大会は、感染症拡大の影響で「練習が十分でなかった」と課題を残しながらも、アジア記録を30センチ、大会記録を39センチも更新する6メートル24。次戦に向け「跳躍自体は悪くない。(タイミングを)合わせられれば、ベストも出せた」と年内に6メートル50以上の記録を狙う。

 昨年7月のジャパンパラ陸上大会で、アジア記録には認定されなかったが6メートル33で日本記録を更新。今大会は自己ベストを超える6メートル50を積極的に狙ったが、成功は1本のみで課題も見えた。「助走のスピードや走り、踏切のタイミングも合わず課題が多い」と理想の跳躍に向け、反省点を挙げた。

 10月に愛知パラ陸上フェス、11月には日本陸連公認の関東パラ選手権も控える。今季初の大会を終え「やっと一つ大会を迎えられた。数をこなし跳ぶ感覚を戻していきたい」。東京パラ出場という大きな目標を掲げ、26歳ジャンパーのシーズンが始まった。


 日本パラ陸上選手権第1日は5日、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われ、女子走り幅跳び(義足・機能障害T64)は昨年の世界選手権(ドバイ)を制した中西麻耶(阪急交通社)が自身の日本記録を更新する5メートル70で優勝した。男子走り幅跳び(義足・機能障害T64)では名護市出身の又吉康十(ゼンリンDC)が6メートル24のアジア新、大会新記録で頂点に立った。他の県勢は、女子車いす800メートル(切断・機能障害T54)で喜納翼が1分53秒60でトップ。男子200メートル(脳性まひT37)は石垣喜人(日本福祉大)が29秒34で3位に入った。男子走り幅跳び(義足・機能障害T63)は山本篤(新日本住設)が6メートル49で優勝し、同やり投げ(上肢障害F46)は山崎晃裕(順大職)が60メートル09で制した。