困窮世帯の食卓は③ 支え合いの輪を広げ 子どもたちに明日への希望を<新型コロナ 暮らしの現場>


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 新型コロナウイルス禍での子どもたちの食や生活を支えようと、県内でも企業からの食料提供など支援の輪が広がっている。しかし、子ども食堂やフードバンクなど支援団体では、コロナの影響は続くとして食料の無料提供やボランティアなど継続的な支援を訴えている。

 「子どもの広場in那覇」の細田光雄さんは、子ども食堂などを運営して約5年になる。活動資金は県内企業からの寄付や助成金などだ。これまで困窮家庭にお米300キロを配布してきた。報道を見た北海道の農家からはメロンが送られてきたこともあった。細田さんは「経済状況などで家に誰もおらず、夕食を食べられずに空腹でも我慢している子どもたちがいる。こうした子どもたちへ食材の寄付をお願いしたい。行政と民間が知恵を絞り、タイアップする仕組みも必要だ」と訴える。

 仲真ナオミさんの「HOPE LOVE」でも、弁当配布に必要な食費など活動費を寄付や助成金、りゅうちゃん子どもの希望募金などから賄っている。子どものおむつとミルク代が捻出できず困っている女性2人に対しては、団体を通して地元企業が当面のおむつとミルクを無償提供した。支援家族の中には、自立できるようになり、ボランティアとして団体の活動を支えている人もいるという。

 仲真さんは「困窮家庭の子どもたちは萎縮して、最初はなかなか目も合わせない。しかし、食料や洋服を支援する中、笑顔になっていくし、明日への希望も口にするようになる。支援された人も、支援する側に回るという好循環もある。行政だけに頼らず、地域で支え合う形にしていきたい」と語る。