コロナ給付金の不正受給 沖縄県警が関係先捜索 申請代行疑いの人物を任意聴取 


社会
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 新型コロナウイルス対策で収入が減少した個人事業者に最大100万円が支給される持続化給付金の不正受給が県内で発生している問題で、沖縄県警が不正受給の申請に関与した複数の関係先で家宅捜索を実施していたことが8日、捜査関係者らへの取材で分かった。県警は合わせて不正受給に関与した可能性がある人物への任意の事情聴取も行っており、捜査線上には不正受給を指南したり、代行したりした複数の人物が浮上しているという。

 複数の関係者らによると、本島中南部複数箇所の家宅捜索と任意の事情聴取が行われたのは今月3日。捜索先からは個人情報が記され、申請に使用したとみられる大量の書類が押収されたという。

 捜査関係者によると、任意の事情聴取を受けた人物は、不正受給の申請を代行し、給付金から数十万円を手数料名目で受け取っていた可能性がある。県警は押収した書類の分析を進め、受給資格がないにもかかわらず虚偽の内容で申請をしていないかなど慎重に調べを進めている。

 琉球新報は8日、県警の任意聴取を受けたとされる人物に取材を申し込んだが拒否された。関係者によると、この人物は顧客の求めに応じて、税務上の適正な申告を行っただけだと主張しているという。

 県警は組織立った可能性がある不正な申請が7月までに400件以上あったとの情報を得ており、不正受給は少なくとも総額4億円を超える見込み。県警は背後に暴力団組織や暴力団などに属さず犯罪行為を繰り返す半グレ集団がいるとみて慎重に捜査を進めている。