首里城正殿の大龍柱「正面向きに」 市民団体が県議会へ陳情


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記者会見する「大龍柱を考える会」の大田朝章代表(右端)ら=8日、県庁

 首里城正殿の大龍柱を正面向きにするよう求める市民団体「大龍柱を考える会」(大田朝章代表)は8日、県庁で会見を開き、大龍柱を正面向きにするよう求める陳情を4日に県議会へ提出したと発表した。今後、沖縄総合事務局に要望書の提出を検討している。陳情書では(1)大龍柱の向きを「正面向き」に変更すること(2)県議会で調査検討する際、会の説明と意見の聴取を行うこと(3)「正面向き」に変更するよう国に意見書などを提出すること―の3項目を求めた。

 1992年の復元時、大龍柱がお互いに向き合う形になったのは、1768年の古文書「百浦添御殿普請付御絵図并御材寸法記」の絵図が根拠とされたという。

 一方、同会は明治から昭和までに撮影された正殿解体修理前の写真や「上杉県令巡回日誌」「比嘉春潮全集」から、大龍柱は正面を向いていると主張した。陳情書では「『正面向き』である方が、首里城の参観に訪れる客を歓迎する趣旨が実現されるのではないか。沖縄が『守礼の邦』と言われる歴史的な事実にも合致するのではないか」と訴えた。

 同会は署名も呼び掛けており、8日現在、県内外から約1600人の署名が集まっている。