那覇と南部で救急医療がひっ迫 外来受診「慎重に判断を」 沖縄県が呼び掛け


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沖縄赤十字病院

 沖縄県の糸数公保健衛生統括監は8日、那覇・南部地域の救急医療が逼迫(ひっぱく)しているとして、救急外来を受診する際は慎重に判断するよう呼び掛けた。那覇市の沖縄協同病院は8日時点で救急診療を休止、9日以降は時間を短縮して再開する。那覇市立病院は医師2人の感染を受け7日にいったん休止したが8日に再開した。一部の病院で救急診療が制限されれば、他の医療機関にしわ寄せがいく恐れがある。感染者数が減少しても、医療現場が逼迫する厳しい状況は変わらず続いている。

 24時間体制で救急搬送の患者を受け入れている那覇市内の医療機関は沖縄赤十字病院と沖縄協同病院、那覇市立病院と大浜第一病院の4カ所。県内の複数の救急病院で勤務する救急医の林峰栄医師は「病院でスタッフが感染すると、人手が足りなくなって救急外来を止めないといけなくなる。既に救急車を受け入れられない病院が複数出始めており、今まさに地域の救急は綱渡り状態となっている」と指摘する。

 糸数統括監は「救急外来が非常に混み、那覇・南部一帯が逼迫している。急を要する場合は(救急を)受診せざるを得ないが、日中にかかりつけ医を受診するなどして健康管理に留意してほしい」と呼び掛けた。