沖縄SV本番へ闘志燃やす 天皇杯サッカー16日開幕


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 サッカーの第100回天皇杯全日本選手権が16日、全国各地で開幕する。県代表の沖縄SVは1回戦で鹿屋体育大学(鹿児島)と対戦する。コロナ拡大の影響で大会の中止が相次ぎ、試合勘がつかめていない懸念は残るが、実戦形式の練習で戦術をすりあわせている。元日本代表のFW髙原直泰は「県代表として恥ずかしくない試合をする」と強い決意で臨む。

 県予選はコロナにより準々決勝を最後に中止となり、県サッカー協会の推薦を受けてSVが県代表に決まった。11月の全国地域チャンピオンズリーグ(CL)も、九州リーグが中止になったためリーグ規定により代表権を獲得している。目下、最大の目標であるJFL(日本フットボールリーグ)昇格はCLで2位以上が条件となり、チームは天皇杯の戦いぶりがCL進出への試金石となると考えている。山本浩正監督は「1試合でも多く試合をやることが自分たちの力になる。どこまで通用するか楽しみだ」と意欲を見せる。

 7日、中城村の吉の浦公園ごさまる陸上競技場で行われた練習では、ポジショニングの確認やミニゲームなど実戦に力を入れ、細かな連係や戦術を確認していた。山本監督は「なぜそこにいるんだ」「もっと話せ」などと厳しい言葉で促し、本番前の緊張感が漂っていた。

 九州リーグは4戦全勝していたが、チームはまだ発展途上にある。山本監督は選手の「ハードワーク」と状況に応じた「考えるサッカー」を追求する。髙原は、山本監督が今季から就任して「視野が広がった。やろうとすることが浸透してきている」と手応えを語る。

 今季加入した沖国大出身のDF比嘉和輝は、髙原とランニングするなど練習後の時間を過ごし、指導を受けていた。天皇杯へ向けて比嘉は「技術が上回る相手にもチャレンジする気持ちをぶつけたい」と闘志を燃やす。

 県代表はこれまで3回戦が最高順位。山本監督は「まずは1試合目。内容、結果でいい形で終える。戦えなかったチームの分まで戦うので、ぜひ期待していてほしい」と語った。
 (古川峻)

天皇杯に向け練習に励む沖縄SVの髙原直泰=7日午前、中城村のごさまる陸上競技場