「平和のドア」広がる共感 アミークス小・北角さん作 慰霊の日の詩に曲付けたCD届く


社会
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慰霊の日の本紙特別紙面の前で届いたCDと手紙を手にほほ笑む北角真路さん=3日、うるま市の沖縄アミークスインターナショナル小

 【うるま】平和のドアを開けるには 特別な鍵を使います―。この一節から始まる詩「平和のドア」が6月23日の慰霊の日、戦後75年に合わせた本紙の特別紙面に掲載された。作者は沖縄アミークスインターナショナル小5年の北角真路(まはろ)さん(10)。8月上旬、北角さんの元に1枚のCDが届いた。「平和のドア」にゴスペル調の曲が付いた歌が収められていた。

 送り主は新潟県の石川智子さん。日本キリスト教団新潟教会に通うオルガニストで、6月23日の後の礼拝時、牧師が本紙記事とともに北角さんの詩を紹介してくれたという。CDに同封されていた手紙には、北角さんの詩に接した時の思いがつづられていた。

 「その素晴らしさに心打たれた」「シンプルで温かく、平和のために誰もができることを教えてくれる詩」と賛辞を送っている。何度も読むうち頭の中で音が鳴り始め、曲が出来上がったという。

 手紙には、礼拝の日などで曲を披露する際、作者の北角さんに演奏の許可をいただきたかったとも書かれていた。北角さんはCDを贈られ「人を感動させることが自分にもできるということが、とてもうれしかった」と喜んだ。

 石川さんとは電話で話した。北角さんは合唱をしており、自分でも歌いたいと伝えた。

 紙面掲載後、さまざまな人から反響があったという。中には、習字で詩を書き額縁に入れて届けてくれた人もいた。

 詩はこう締めくくられている。「75年のときがすぎ 沖縄の平和のドアはいつ開くかな」。北角さんの詩は、それぞれが思い描く平和実現を願う人々の心を打ち続けている。

(砂川博範)