ウィズコロナの観光を考えるシンポ 夜のコンテンツ充実など議論


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withコロナの沖縄観光について議論する(右から)前田産業ホテルズの前田裕子社長、県立中部病院の高山義浩氏、県文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長(ユーチューブより)

 「沖縄観光はどうコロナと向き合うか~withコロナに向けた新しい沖縄観光の在り方を考える~」シンポジウム(主催・県文化観光スポーツ部など)が8日、タイムスビルで開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止と観光振興の両立について話し合った。

 前田産業ホテルズの前田裕子社長がファシリテーターを務め、県立中部病院の高山義浩医師と県文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長が登壇した。

 高山氏は新型コロナウイルスと付き合っていく中で新しい生活様式に対応するとともに、感染対策ができていない部分を洗い出す必要があると指摘した。「観光客が夜に飲みに行った接待を伴う店で感染が広がっている。どう対策をするかが課題だ」と話した。

 また夜の観光コンテンツを開発し、観光客を分散化させることも重要だとし、「選択肢が少ないとそこに集中してしまう」と述べた。東南アジアのリゾート地を例に、夜間のビーチを活用することも提案した。

 那覇空港に設置された旅行社専用相談センター沖縄については「最終的に空港内の診療所になることが理想だ」と話し、医療体制が整っていることが観光客の安心につながると強調した。

 渡久地部長は「沖縄観光はこれまで質の向上が課題だった。これだけ観光客数が落ち込む中で、大胆な変革も可能な状況だ」と話した。新しい生活様式への対応が求められる中での沖縄観光の指針を示すため、観光客の受け入れ体制強化に重点を置いた観光振興計画の準備を進めていることを強調した。前田社長は「官民や行政、医療と観光が一体となってこの危機を乗り越えよう」と締めくくった。