バーデハウス来月閉館 久米島 設備劣化、コロナも影響


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10月で閉館するバーデハウス久米島(久米島町提供)

 【久米島】久米島町奥武にある海洋深層水を利用した温浴施設「バーデハウス久米島」が、10月31日で閉館することが分かった。久米島町と民間事業者が出資する第三セクターのオーランド(社長・桃原秀雄副町長)が運営しているが、老朽化した施設や設備の改修の負担が大きく、運営継続が困難と判断した。町は本年度中に新たに運営を担う指定管理者を公募し、民間事業者に委託した上で再開を目指すとしている。

 バーデハウス久米島は2004年にオープン。久米島沖でくみ上げる100パーセントの海洋深層水を使ったプールやサウナ、アロママッサージなどができるトリートメント施設があり、久米島の主要な観光施設の一つでもあった。久米島で春季キャンプを行う東北楽天ゴールデンイーグルスの選手らも利用していた。

 久米島町によると、海洋深層水をくみ取るポンプやボイラーなど施設内の設備が塩害などで劣化が著しく、維持・修繕費が膨らむなどしていた。これにより安定的な経営が困難になる中で、新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休館や利用者減が続いたことも追い打ちをかけたという。

 町の担当者は「例年、8月は約1千万円の売り上げがあったが、今年は臨時休館でほぼゼロに近い。7月も昨年の半分以下の売り上げだった」と新型コロナの影響を語った。町は10月いっぱいで閉館することを決め、今月4日に同館のホームページで発表した。