沖縄施策 与党と対立 新基地なしで危険除去 地位協定見直し 新党代表 枝野氏 対米交渉方針強調


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7日の記者会見で辺野古新基地建設問題への対応などについて応える枝野幸男氏=国会内

 【東京】10日の野党合流新党代表選で初代代表に選ばれた枝野幸男氏は、米軍普天間飛行場の移設問題など沖縄関連施策で現政権与党の方針と真っ向から対立する形となる。普天間飛行場の移設は「米海兵隊の新基地を造らず、同時に普天間の危険を除去することは十分に可能だ」と述べ、新基地建設の工事を止めて対米交渉していく方針を示している。

 「日米同盟は基軸」の立場は堅持しつつ日米地位協定の見直しも掲げる。ただ、かつて普天間の県外移設を掲げ辺野古移設に回帰した民主党政権で閣僚を務めた議員も新党メンバーにおり、日米合意変更への対米交渉の実現性は未知数だ。

 枝野氏は民主党政権時代の反省点として移設先を決めることに期限を設定したことを挙げている。今後は日米のリベラルな国会議員同士で連携を深める「日本プログレッシブ議連」など、外務省以外のチャンネルも活用するとみられる。

 9日の日本記者クラブ主催の討論会で枝野氏は「普天間の危険除去はそもそも沖縄にあんな大きなレベルの海兵隊基地が必要か、というところから米国と丁寧に交渉しなければ勝手にできない」と対米交渉の必要性を強調した。

 その上で「工事を止めることはできるが、即時(辺野古断念)というと無責任だ。即時交渉に入るというのが責任ある態度だ」と述べた。

 米海兵隊が西・南太平洋地域を巡回することで米国の関与を示す意味があると指摘し「沖縄の海兵隊の問題、実際に基地があることが海兵隊あるいは米国の国益に資しているわけではない。基地がなくても米国の国益を損なうことはない。これは明確だ」と述べた。