自民総裁選の県出身議員対応 岸田氏支持の国場幸之助氏「沖縄振興に実績」 菅氏支持の西銘恒三郎氏「基地軽減に成果」 菅氏支持の宮崎政久氏「実行力で適任だ」


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 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選は14日の投開票に向け、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3候補による論戦が本格化している。沖縄の国会議員は竹下派の西銘恒三郎、宮崎政久の両衆院議員が菅氏を、岸田派の国場幸之助衆院議員が岸田氏を支持している。3氏に支持の理由や沖縄政策で望むことなどを聞いた。
 (聞き手 當山幸都、知念征尚)

国場幸之助氏

[岸田氏支持]国場氏、振計に思い入れ

 ―岸田氏支持の理由は。

 「沖縄担当相や外相を経験し、党政調会長として沖縄振興、基地問題も含めて熱心に取り組んだ実績がある。外相時代に地位協定の実質的な改定である環境補足協定、軍属補足協定も実現した。国政の中心課題として沖縄をやってもらえると確信している」

 ―沖縄政策への期待は。

 「次期沖縄振興計画は一義的に県や県民が提案していくことが重要だが、日本経済のけん引役として飛躍・発展していけるよう政府も関与する責任がある。岸田氏にはそれを形にする思い入れが熱い」

 ―辺野古問題について。

 「政治は政策の中身が大事だが、実現する政治姿勢も問われる。首相が前面に出て説明し、内閣の最重要事項として集中して沖縄に取り組むべき時期があったと思うが、安倍政権にはそこが少し足りなかった」

 ―岸田首相が誕生すれば変化が期待されるか。

 「沖縄に何度も足を運ぶよう言っている。沖縄には基地のみならず国家的課題が凝縮されている。自民党の中でも平和にこだわる良質な保守であることを誇りにし、大事にしていかなければならない」

西銘恒三郎氏

[菅氏支持]西銘氏、沖縄政策は継続

 ―菅氏の推薦人に名を連ねた。

 「突破力や対応の早さがあり、首相辞任後の空白を埋める最適な人物。災害に備え省庁間でばらばらだったダムの事前放流を統一し、沖縄の基地負担軽減でも目に見える形で成果を挙げてきた。選挙で自民党の推薦を受けてきた県内の首長も親しみを感じている」

 ―沖縄政策での期待は。

 「これまでの基本が変わることはないだろう。官房長官と沖縄基地負担軽減担当相を兼務しており、新総裁に選ばれれば沖縄に詳しい首相になる。基地と振興がリンクするとかしないとかではなく、日本の安全保障の根幹をなす日米同盟に沖縄が貢献しつつ、約50年の沖縄振興を検証し次期振興計画の検討作業が進んでいくということだ」

 ―辺野古移設の進め方が強引だと指摘されている。

 「いや、強引な感じはない。軟弱地盤も技術的に問題ないと理解している。合法的に、環境に配慮し、行政実務として着々と進むだろう。県知事の政治的立場は理解するが、行政実務の判断時期を意図的に延ばし、机の引き出しに入れたままにするのはよくない」

宮崎政久氏

[菅氏支持]宮崎氏、親近感を感じる

 ―菅氏支持の理由は。

 「最大の課題は国難とも言われる新型コロナウイルスへの対応だ。感染防止と経済を両立させるため、見直すべき政策は見直しつつ力強く継続させなければならない。決断力と力強い実行力によるリーダーシップが必要だという意味で、菅官房長官が適任だ」

 「(菅氏は)秋田県から出てきて、横浜市で議員秘書や市議をへて国会議員になった。地縁血縁がないところで志を立て、政治の道で頑張れることを体現しており、個人的に親近感を感じるのも理由だ」

 ―沖縄政策への期待は。

 「実行力と実現力は、沖縄の基地負担軽減や暮らし向上に必ず寄与すると思う。(米軍牧港補給地区の一部返還に伴う)浦添市の国道58号の拡幅工事は、当初計画になかったが地元の要望を受け実現した。国民の利益のために政治が何をすべきなのか、まざまざと実感した事例だった」

 ―辺野古の工事もまさに実行力で進めてきた。

 「今知り得る限りで、他に取り得る手段があるとは理解していない。普天間飛行場の危険性除去に一番早く、一番確実な方法を常に選択し続けるべきだ」