沖縄の景気「厳しさ続く」 日銀の経済概況 県緊急宣言も影響、4カ月ぶり下方修正


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 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は11日、9月の県内金融経済概況(主要指標7月)を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言が発令されたことで、観光や個人消費が再度落ち込んでいるとして、足もとの県内景気を「厳しい状況が続いている」と判断した。前月の「一部に回復の動きがみられる」との文言を取り下げ、4カ月ぶりに下方修正した。

 桑原支店長は感染拡大を抑えながら観光経済を回すことが大方の一致した意見だとした上で、「優先順位とメリハリを付けて、より本質的、重要なところにリソース(資源)を重点的に投入していくことが大事ではないか」と述べた。観光支援事業「GoToトラベル」の対象に東京都が追加されることについて、「回復の動きが見られるか注目したい」と述べた。

 【個人消費】感染症による外出自粛や台風襲来の影響などから、百貨店・スーパーの売上高は全店ベースで前年同月比2・7%減となった。家電大型専門店販売額は同2・3%増、中古車登録台数は同7・1%増だったが、定額給付金の効果が前月より減少したことでプラス幅が縮小した。

 【観光】入域観光客数は同71・2%減と依然として厳しい状況が続いている。主要ホテル稼働率は前月比18・1ポイント増の31・2%。那覇市内、リゾートホテルともに前月より上昇した。

 【雇用・所得】有効求人倍率は前月比0・01ポイント悪化の0・67倍となった。同支店は、非正規雇用者の半年単位の契約更新が9月末となるため、雇い止め増加の可能性もあると見ている。