<識者談話・タイムス社員給付金不正> 田島泰彦氏 原因を究明し読者へ説明を


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田島 泰彦氏(元上智大教授)

 沖縄タイムスや琉球新報は沖縄県紙として政府の対応を厳しく監視し、時には批判してきた。今回の問題は、その報道機関の信用に関わる重大な問題だ。社会的影響力のあるメディアがなぜこんな問題を起こしてしまったのか。信用できる報道機関かを示すためにも原因を究明し、社会や読者に伝える必要がある。

 報道機関は記者だけでは決して成り立たない。印刷や総務、広告などトータルで社会的役割を果たしている。今回問題を起こした社員は記者ではなくとも報道機関の一員であり、社会的役割の担い手だ。

 記者だけでなく、メディアの社会的な役割が社内でどれだけ共有されていたのか気になるところだ。報道機関としての役割や規範の意識が徹底されていない部分があったのではないか。厳しく検証し、読者へきちんと説明することを求めたい。
 (メディア法)