新規高卒求人0.83倍、3年ぶり1倍を下回る 7月末現在


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 沖縄労働局(福味恵局長)は15日、2021年3月卒業予定の新規高卒者向けの求人倍率は、7月末時点で前年同期比0.36ポイント減の0.83倍で、18年の0.90倍以来、3年ぶりに1倍を下回ったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で急落した。

 前年7月末との比較では、就職希望者数は15.8%減り2060人。担当者によると、進路が未決定の学生も多い。例年は年度初めに就職活動に向けて準備をするが、年度初めに休校になったことも影響しているという。県内事業所への希望者は11.9%減の1590人、県外への希望者は26.8%減の470人だった。

 求人数は41.3%減の1711人で、求職希望者が求人数を上回った。求人件数に占める無期雇用の割合は7.5ポイント増の94.6%、有期雇用が7.5ポイント減の5.4%で、雇用期間を定めない正社員の求人が増加した。

 求人を産業別に見ると、宿泊・飲食サービス業で72.2%減の159人、卸・小売業で45.0%減の320人、運輸・郵便業で47.3%減の108人と減少幅が顕著だった。職業別ではサービスが59.5%減の337人、販売が44.1%減の242人、事務が41.6%減の146人で大幅に落ち込んだ。

 求人の減少は、コロナ禍で先行きを見通しづらいことが影響し、企業が求人の提出を手控えていることが背景にある。福味局長は企業に対し、「中長期的な観点に立ち、一人でも多くの採用をお願いしたい」と呼び掛けた。

 今後の見通しについて、福味局長は「コロナ禍で先行き見通すのは難しい」と述べ、求人提出を促すため、今後も県内経済団体への要請や求人開拓を行う方針を示した。【琉球新報電子版】