女子サッカーデイゴスに下部チーム 監督に浅利選手、皇后杯九州予選へ


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琉球デイゴスサテライトを率いて皇后杯九州予選に挑む浅利真耶監督=8月31日、浦添市内

 女子サッカーの全保連琉球デイゴスのサテライトチームが発足し、初の皇后杯に向け練習に熱が入っている。メンバーは社会人とユースの混合。昨季までトップチームのGKだった浅利真耶(28)が選手兼監督に就任し、10月10日に開幕が延期となった皇后杯九州予選(佐賀県)へ準備を進める。浅利監督は「全員守備、全員攻撃で行きたい」と上位進出に向けて意欲を語った。

 浅利監督は横浜FCシーガルズ(現・ニッパツ横浜FCシーガルズ)で、なでしこ2部を主戦場に4年間プレーした。年齢やセカンドキャリアなどを考えて一度は引退したが、デイゴスからの熱烈な誘いを受けて「完全燃焼ではなかった。好きなサッカーに関わりながら仕事ができる」と18年に加入した。

 2年間、チームの柱として全試合に出場。後方からの声掛けでゲームをつくり、昨年は主将を任された。九州リーグ1部で2年連続3位の成績を残した。

 転機は昨年12月のKBC学園杯だった。指導者志望だったこともあり、ユースの監督を初めて任された。2回戦で格上のヴィクサーレ沖縄FCナビィータユースに敗れたが、「子どもたちの伸びしろを感じた」と手応えをつかんだ。

 周囲からは「プレーに対するチームの姿勢が変わった」と褒め言葉ももらった。

 2月にトップチームを退いた後、「サッカーの楽しさを伝え、子どもに夢を与えられる指導者になりたい」と4月に発足したサテライトの監督に就任。「中高生は技術でずばぬけていることはない。まとまっているチームが勝つ」と全員に責任感のあるプレーを求める。他の社会人選手2人もチームに刺激を与える。「スイッチの入った選手もいる。自主性を持って練習に取り組み始めた」と成長を実感する。

 県内女子サッカーは強豪クラブがひしめく。どこまで選手に厳しさを求めるのか試行錯誤を続けながらも「県内で負けないチームを目指す」。サッカー人生の第2幕をスタートさせた。
 (古川峻)