沖縄、8月の観光客80%減 緊急事態宣言で旅行キャンセル相次ぐ 外国客は5カ月連続ゼロ


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 県文化観光スポーツ部は16日、8月の入域観光客数が前年同月比80・1%(81万8400人)減の20万2800人だったと発表した。外国客は5カ月連続でゼロだった。

 例年8月は年間で最も入域客が多く、19年は8月だけで100万人を超えていたが、今年はコロナ禍により7月を下回った。県独自の緊急事態宣言が発令されたことで、旅行のキャンセルが相次いだ。

 1月から8月までの観光消費額は、コロナ禍によって3368億円分の損失が生じたと試算している。

 方面別に見ると、国内客のうち5割以上を占める東京方面は、69%減の11万900人だった。関西方面は70・3%減の4万7500人、福岡方面は77%減の2万300人だった。

 宮古、石垣と県外を運航する航空路線では、前年の4~5割程度と回復が見られたが、那覇空港は25%程度にとどまった。

 9、10月も航空路線の減便が続き、予約率は3割にとどまっているという。

 例年、10月ごろから修学旅行シーズンとなるが、今年は中止や別の場所への切り替えが多く生じている。県は今後、修学旅行に特化した感染対策ガイドラインの作成などに取り組む。

 県は県外での観光PRイベントの実施など、誘客のためのプロモーション事業に力を入れて行く。

 県内旅行を盛り上げるための需要喚起事業も検討している。貸切バスやジャンボハイヤーに乗って県内の観光施設などを巡るツアー商品販売への補助などを検討している。