福祉の現場、感染症に強く…オンライン相談会に10団体参加


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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染症に強い福祉現場を目指そうと、感染管理対策の研修を受けた医師へのオンライン相談会が15日に開催された。県内窓口のNPO法人PAIおきなわなど、福祉事業所10団体が参加した。

医師らに質問するPAIおきなわのメンバーら=15日、宜野湾市伊佐のPAIおきなわ

 相談会は、各地で感染管理対策相談会を実施する「風に立つライオン基金」が主催し、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で行われた。国際医療ボランティア団体のジャパンハートで活動する、医師の大江将史氏が「自施設のクラスターを防ぐためにできること」をテーマに、感染対策を説明した。

 大江氏は、新型コロナウイルスの特徴として発症2日前から発症5日目までは周囲の人にうつしやすいことや、高齢者や基礎疾患のある人は重症化リスクが高いことを上げ「自ら感染するリスクを下げ、利用者の生活を守ることが何よりも大事になる」と語った。感染経路として主に(1)飛沫(ひまつ)感染(2)接触感染(3)空気感染―の3点を解説した。手指消毒のポイントとして、乾いた手でスプレーボトルを深く1プッシュした量で消毒することを勧めた。

 相談会の後半には、施設で新型コロナの感染者が出た場合を想定した実演が行われた。PAIおきなわが、防護服の着脱方法を伝えた。

 参加者からは「通所手段にバスを使う利用者がいるが、コロナの感染拡大が続いた時は一時的に事務所の車で送迎した。バスの利用を再開しようと思うが注意点はあるか」と質問があった。大江氏は「手すりやボタンに触れた手で目や鼻、口を触らずに手指消毒をするほか、マスクを着用するなど接触感染の予防を徹底することが大切だ」と回答した。