プロバスケのキングス、渋谷に惜敗80ー85 シーズン前練習試合


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キングス―SR渋谷 第4Q ゴール下に切り込みシュートを放つ田代直希(手前)=20日午後、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは20日、10月のシーズン開幕を前に、沖縄市体育館でサンロッカーズ渋谷と公開練習試合を行った。接戦の末、キングスが80―85で敗れた。お互いが持ち味の激しい守備でぶつかり合い、1点を争う好ゲームとなった。あらかじめの抽選に当選していた観客を入れ、隣の席を空けたり、マスク着用を義務付けたりと感染防止対策を講じて実施。同じカードで21日午後2時から同体育館で2試合目を行う。

 今季はプレシーズンマッチを実施しないため、シーズン開幕前の最後の対外試合となる。

◆攻守両面の課題見詰め

 激しい守備で相手のターンオーバーを誘い、攻撃ではドライブで守備を崩し、中、外からゴールを射抜く。開幕前のチームづくりの段階で、まだ40分間、フルに高い完成度を保つには至っていないが、藤田弘輝HCは「守備は去年とコンセプトは変わらず。攻撃は全体的にオープンで打てていた」と及第点を与えた。

 ファンを前にした約半年ぶりの一戦は、公式戦のような熱気を帯びた。お互い激しく体をぶつけて守り合い、選手たちがコート上で輪になって話し合う場面も目立った。久しぶりの試合で「すかっとした爽快な気持ち」と笑顔を見せたのは田代直希主将。新加入選手もチームカラーのタフな守りを体現し「去年よりもよりハードワークができるチーム」と評した。

 新潟から移籍した元日本代表シューターの今村佳太は、キングスブースターの前でのプレーは初めてとなった。「キングスの激しい守備はこれまで自分ができていなかった部分なので、しっかり開幕までに適応したい」と意気込む。強みの攻撃でも「もう少し積極的に自信を持ってシュートを打ちたい」と攻守両面での課題を見詰めた。
 (長嶺真輝)


渋谷
85―80(16―27,25―15,21―16,23―22)
キングス

 【評】序盤から激しい守備でキングスが先行したが、渋谷も前からプレッシャーをかけて徐々に流れをつかみ、後半は接戦になった。終盤に3点弾やフリースローを確実に決めた渋谷が逃げ切った。

 藤田弘輝HC(キングス)の話 長い間、ファンの前でバスケができなかったので、今日をうれしく思う。今季は守備は激しく、攻撃は全員でやりたい。今日は我慢が足りなかった。2試合目は意識してやりたい。

 伊佐勉HC(渋谷)の話 出だしは、守備で圧倒されたが、第2クオーターからは自分たちのバスケができたと思う。ただ、フィジカル負けは相当あった。東地区と同じような強度でやるチームと、この時期に試合ができたことはよかった。