労働相談 いじめが28%、681件 解雇は13%増、400件 2019年度 沖縄


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 沖縄労働局(福味恵局長)は18日、2019年度に県内6カ所に設置する総合労働相談コーナーに寄せられた民事上のトラブルである「個別労働紛争」の相談件数のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が681件と最も多く、01年の統計開始以来、昨年に次いで多かったと発表した。

 労働相談コーナーに寄せられた全体の相談件数は、前年度比1・4%増の9054件。相談内容のうち「法令・制度の問い合わせ」が5466件、「個別労働紛争」が2357件、「法施行事務」は1820件だった。

 個別労働紛争の内訳を見ると、いじめ・嫌がらせに関する相談は同1・3%減の681件で、相談内容の約3割を占めた。次いで解雇が同13・6%増の400件、自己都合退職が同11・8%減の307件、賃金以外で、その他の労働条件で同9・6%増の285件、賃金を含む労働条件の引き下げが同21・7%増の219件、退職勧奨・雇い止めが同17・3%減の215件だった。解雇や雇い止め、自己都合などを含めた離職に関する相談は約4割に上った。

 個別労働紛争のうち、労働局長が紛争当事者に問題点を指摘し、解決の方向性を示す「助言や指導」を実施したのは同8・9%減の123件。前期繰り越し分を含む128件で助言や指導した結果、57・0%に当たる73件で解決した。内容はいじめ・嫌がらせが28件、解雇が24件などだった。

 紛争調整委員会へあっせんの申請は同1・5%減の131件だった。紛争当事者間に弁護士などが入り、双方に働き掛け、自主的な解決を促す「あっせん」を実際に開催したのは前期繰り越し分を含む68件で、54・4%に当たる37件で解決した。内容はいじめ・嫌がらせが39件、解雇が31件などだった。

 いじめや嫌がらせはパワハラに相当する場合もある。近年相談が増えていることについて、担当者は「今までもいじめや嫌がらせを受けていたが、相談できると知ったことが理由ではないか」と分析した。その上で今年6月のパワハラ法施行に伴い、認知度が上がることで「相談件数は今後も伸びる可能性がある」と述べた。