ホウライカガミの苗、譲ります オオゴマダラ普及のために栽培


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オオゴマダラの幼虫の食草になるホウライカガミを手入れする大田朝暉さん=22日、那覇市内の自宅

 那覇市在住の大田朝暉さん(87)が自宅の温室で手塩に掛けて育てた、ホウライカガミの苗の引き取り手を募っている。ホウライカガミは県蝶に指定されているオオゴマダラの幼虫が食べる草で、黄金色のサナギが鈴なりにぶら下がることがある。沖縄では亡くなった人の魂などと言われるチョウ。大田さんは「平和祈念公園でも毎年、慰霊の日に放蝶される。平和への思いにもつながるはず」と期待する。

 県教育庁の職員だった大田さんは、学校美化のための緑化予算を担当したことから「自分がやってみせないと」と自宅で多くの植物を育ててきた。2003年に南城市玉城の少年自然の家でオオゴマダラのサナギを見てほれ込み、すぐにホウライカガミの栽培を始めた。それから毎年、種から採取して約1千鉢の苗を育てている。

 例年、ホウライカガミの苗は本島中南部の小中学校などに提供し、これまでに延べ約1万7千鉢を贈った。今年は新型コロナウイルスの影響で学校への提供が難しくなったため、育ててくれる個人や企業を探している。大田さんは「たくさん欲しいという企業があれば趣意書でも書いてもらおうかな」と笑った。

 問い合わせは大田さん(電話)098(887)1024。