南部商・美里・陽明の3校連合、初戦快勝 声飛び交い、笑顔で「全力プレー」 高校野球秋季大会


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 高校野球の第70回沖縄県秋季大会第3日は22日、アグレスタジアム北谷など3球場で1回戦9試合を行った。南部商・美里・陽明の3校連合チームは本部に9―2で勝利し、初戦を突破した。北山は北中城とのシーソーゲームを8―7で制し、2回戦進出。豊見城は昭薬付に12―2、美里工は浦添工に13―0とそれぞれ大勝した。興南は沖縄カトリックに11―1、沖縄水産は南風原に9―0と大差で勝利を収めた。具志川商は名護商工に7―4、知念は南部工に6―0、向陽が読谷に10―6で勝利した。大会第4日は開幕日から順延となった1回戦1試合を行う。

本部―南部商・美里・陽明 5回、2死満塁の好機に走者一掃の3点適時二塁打を放つ南部商の平良一綺=22日、アグレスタジアム北谷(ジャン松元撮影)

 マウンドで踏ん張るエース田端滉也(南部商)に守備陣から「ナイスボール!」と声が飛ぶ。攻撃ではフルスイングで空振り三振した打者を「いいスイング」とベンチが温かく迎える。平良隆訓監督が掲げた「全力プレー」を体現した3校連合の選手たちは、終始笑顔が絶えなかった。

 五回、2死満塁で左打席に入ったのは南部商の平良一綺。凡退した1、2打席目は「打とう」という気持ちが強すぎたと、2球目の高めのカーブを「無心でたたいた」。打球は右中間に落ち、走者一掃の3点適時二塁打で逆転。「うれしかった」とはにかんだ。

 今月5日に初めて集まった急造チームだが、練習試合を4試合こなし、選手同士が打ち解けて初戦を迎えた。キーマンは「明るくて回りを引っ張ってくれる」(平良監督)という美里の5人。その一人で、4番として単打2本を放った知花京は「投手の癖を見て、ベンチから『変化球が多くなってるよ』とか声を出すようにしてる。野球ができることが楽しい」と表情が緩みっぱなし。「次は二塁打を打てるよう、頑張ります」と声を張り、また笑った。

(長嶺真輝)