米軍の伊江港使用「事前調整した」 沖縄県「使用通知ではない」 双方の認識に差


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伊江港に入港した米軍の汎用揚陸艇=22日午前11時半ごろ(提供)

 米軍が21、22の両日、伊江村の伊江港を利用した件で、事前の調整を巡って米軍と県の認識に隔たりがある。米海兵隊は県に使用手続きについて問い合わせており事前に調整したと説明しているが、県は使用の通知や調整ではなかったとの認識を示している。沖縄防衛局は村に事前連絡したが、県には伝えていない。一方、米軍から問い合わせを受けた県の港湾課は、基地問題を担当する基地対策課に伝達しておらず、県庁内の情報共有にも課題がありそうだ。

 伊江港は県が所有しているが、管理権を伊江村に移譲している。使用は日米地位協定に基づいており通告の法的な義務はないが、県は事前に知らせるよう求めている。海兵隊は21、22の両日、伊江港に揚陸艇を入れて訓練物資や隊員を運んだ。それぞれ前日に米軍から連絡を受けた防衛局は使用の当日、村に伝えた。県には連絡していない。

 県港湾課によると、10日、海兵隊から「21、27日に伊江港を使用したいが、手続きはどうしたらよいか」との問い合わせがあった。手続きは通常、防衛局が入港届などを翻訳して申請が来るため、港湾課は防衛局を案内した。その後、海兵隊や防衛局から伊江港の使用を求める申請はなかった。県基地対策課は報道を受けて防衛局に事実関係を確かめた。海兵隊は本紙の取材に「県と全面的に協力し合い、調整してきた」と説明している。