沖縄のDV相談182件増え1123件 コロナで深刻、避難も困難か 3~8月


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 県配偶者暴力相談支援センターなどに寄せられたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数(速報値)は、今年3月から8月までに1123件に上り、前年同期より182件増加したことが分かった。児童相談所の児童虐待の相談対応件数も2月以降、増加傾向にある。同期間中は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請や休校措置があり、コロナ禍で子どもや女性に向けられる暴力が深刻化している状況が浮き彫りとなった。25日の県議会9月定例会で、名渡山晶子県子ども生活福祉部長が西銘純恵氏(共産)の質問に答えた。

 同センターへのDV相談件数(速報値)は3~6月でいずれも前年より増加した。増加件数は3月が22件、4月が59件、5月が29件、6月が82件。一方、7月は前年より8件、8月は2件減少した。名渡山部長は「コロナの収束が見通せない中で、今後もDV相談の件数は増加する」との見通しを示した。

 一方、女性相談所での一時保護件数は3~8月で29件となり、前年より21件減少。県の担当者は「感染への懸念や、夫や子どもが家にいるなどの理由で避難できない女性がいる可能性もある」と述べた。

 県の中央児童相談所とコザ児童相談所の児童虐待の相談対応件数(速報値)は2月が82件、3月が92件、4月が93件、5月が104件、6月が157件、7月が121件だった。

 名渡山部長は増加傾向にあるとの見方を示し、LINE(ライン)を活用した相談窓口の設置などの対応を取っていると説明した。

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