沖縄市八重島のレコード喫茶「響」が再開 兼城さんが亡き先代の思い継ぐ


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 【沖縄】沖縄市八重島で、病で亡くなった先代オーナーの思いをオーディオ仲間が引き継ぐレコード喫茶「響」が元気に営業している。

先代オーナーの思いとオーディオを引き継ぎ、レコード喫茶「響」を再開させた兼城和彦さん=沖縄市八重島

 1950年代ににぎわった「ニューコザ」という米兵相手の歓楽街跡の八重島区に、オーディオ愛好家の洲鎌盛雄さん(故人)が2009年8月に開業した。レコード好きのファンに親しまれていたが、昨年2月に洲鎌さんが71歳で他界し店を閉じた。その思いを引き継いだのが30年来のオーディオ仲間で、飲食店経営者の兼城和彦さん(56)だ。昨年7月からオーナーとして店に立つ。

 オーディオ雑誌でも度々取り上げられた店舗には、英国製の「ウエストミンスター」を含むスピーカー4セット、真空管アンプ7台、レコードプレーヤー2台、ジャズやクラシックのレコード約700枚があり、オーディオ好きにはたまらない場所だ。

先代オーナー洲鎌盛雄さんの遺影

 先代の妻・洲鎌和美さん(72)は「主人との出会いも音楽で、一緒に家でレコードを聴いてコンサートにも行っていた。思い出の詰まった店で、引き継いでくれると聞き本当にうれしくて、今も主人が居る感じがする」と話した。

 兼城さんは現在、他の飲食店も経営しコロナ禍で非常に厳しい状況下にあるが「家庭では聴くことのできない大型スピーカーや真空管アンプから奏でる柔らかなレコードのサウンドを聞きに来てほしい」と呼び掛けた。

 所在地は沖縄市八重島2の7の48。営業は土・日曜、午後1時から午後4時半。問い合わせはメール、kaneshiro0405@gmail.com(兼城)まで。

(喜納高宏通信員)