2人用自転車、来月1日から公道解禁 「視覚障がい者も楽しめる」沖縄


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10月1日から県内の公道で走行が可能になる2人乗り「タンデム自転車」=26日、南風原町兼城の沖縄輪業南風原店

 沖縄県警は25日、2人乗り専用の「タンデム自転車」について10月1日から県内の公道で走行を解禁すると発表した。県道路交通法施行細則を一部改正し、同日から施行する。タンデム自転車は乗車する人が前後に座り、二つのペダルを一緒にこぐ二輪車。ハンドル操作が不要な後部席は目が不自由でも乗車が可能だ。東京パラリンピックの競技種目にも採用されている。県内では主にレジャーや観光施設などで使用されている。

 県警によると、23日現在、34府県の公道でタンデム自転車の走行が可能となっている。視覚障がい者団体などからの解禁の要望に加え、実走実験や他県への課題聞き取りを踏まえ、施行細則の改正に至ったという。改正に伴い県警は、交通ルールの順守と、安全対策の徹底を呼び掛けている。

 県サイクルスポーツ振興協会代表理事の森豊さんは「タンデム解禁を目指す会」の理事として解禁へ行政との調整を行い、一般向けタンデム体験講座も開いてきた。「タンデムなら視覚障がい者も自転車を楽しめ、観光客のカップルなどが非日常を味わうこともできる」と解禁を喜ぶ。パラリンピックの合宿誘致などスポーツや観光への波及効果も指摘し「2人が近い距離でコミュニケーションを取りながら息を合わせてこぐ楽しさを知ってほしい」と期待した。