空手の沖縄県高校選手権 浦添の東海が個人形で頂点 女子は浦添の田場が制す


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 空手道の第37回県高校選手権は26日、浦添高体育館で行われ、男子個人形決勝で東海毅(浦添)が24・82点で優勝した。女子個人形は田場琳奈(同)が23・06点で頂点に立った。個人組手男子決勝は伊礼寿央貴(前原)が3―1で新川蓮(西原)を退けて優勝。女子決勝では佐藤永理(沖縄尚学)が比嘉花梨(浦添)に2―1で勝利した。男子団体組手は前原、同女子は浦添が2連覇した。


東海、自信に満ち渾身の演武

男子個人形決勝 スーパーリンペイで迫真の演武を見せる東海毅(浦添)=26日、浦添高体育館(古川峻撮影)

 男子個人形の決勝で東海毅(浦添1年)は落ち着き払っていた。県大会決勝で敗れてきた島袋生成(沖縄尚学1年)が、直前の演武で高得点の24・20点を出したばかり。「点数を見てやばいと思ったけど、今回は自信があった」。いつもと違い余裕があった。

 決勝のスーパーリンペイは、サンチン立ちの最初の呼息で意識が透明になるように感じ、調子の良さが分かったという。「大きく見せる」。172センチの上背を生かし、重量感のある三段突きを繰り出す。連続突きは腹が浮くような場面もあったが、決めで渾身(こんしん)の一撃を引き出し、24・82点で初優勝した。

 7月の県総体で自信をつかんだ。けがで思うような練習ができず不安を抱えたまま挑んだが、拳龍同志会の先輩である新城志(コザ3年)から「何も考えるなよ」と助言をもらうと吹っ切れた。初めて決勝で島袋を越えて3位に入り、新城、同じく先輩の平安名翔太(コザ3年)と一緒に表彰台に上がった。

 伝統校の浦添に進学し、練習後には「いい意味で空手バカ」という同級生らとさらに自主練に励む。「自分が勝てば次は生成が強くなる」。慢心なくひたすら努力を続ける。

 (古川峻)


田場、僅差の戦い制す

女子個人形決勝 力強いアーナンを披露する田場琳奈(浦添)

 女子個人形は田場琳奈(浦添1年)が僅差の戦いを制した。県総体の女子団体形に続く優勝だが「周りが力をつけている。圧倒できるようにしたい」と反省点も多かった。

 団体組手にも出場し、優勝に貢献した。伝統校の重圧や声援を力に変えて自らの想像以上の力を発揮。「チームの力ってすごい」と気付かされた様子だった。

 学校で組手中心に練習した後、劉衛流のあずさ龍鳳館で形の稽古を積む。ハードワークから「疲れがたまって身体中が痛くなった」と決勝のアーナンは納得の演武ではなかったと言う。10月の新人大会へ向け「もっと反復練習して、アーナンを自分の形にしたい」と修正を図る。