宜野湾市直営の障がい者相談に不満の声、福祉関係有志が従来事業所への委託要望


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松川正則宜野湾市長(左から3人目)に要望書を手渡す有志会の知念忠昭代表(同2人目)=14日、市役所

 【宜野湾】障がい者らの相談に応じる宜野湾市の相談支援事業に関し、市内にある福祉事業所の有志が14日に市役所を訪れ、これまで相談支援を担ってきた事業所と早期に業務委託を締結することなどを要望した。市はこれまで2事業所に委託してきたが、契約方法変更などで本年度は契約が不成立になり、市職員らが直営で相談事業を担っている。一方、市職員らの対応などが不十分として現場の不満が高まっている。

 市はこれまで15年間、2事業所に随意契約で業務委託してきた。市は「事業所がいくつか増えてきた」ことで、各事業所が企画提案する公募型プロポーザル方式に変更。事業所からは契約内容について「人材の確保や育成に数年を要することなどから厳しい」との声があり、2回公募するも契約は不成立に終わった。

 14日は、福祉サービスの利用計画などを作成する事業所の有志代表として知念忠昭さんが、松川正則市長に要望書を手渡した。要望書では「障がいを持つ方々にサービスを利用してもらうため、地域や民間事業所のネットワークが不可欠だ」と訴えた。これまで障がい者らと信頼関係を築いてきた相談事業所から市直営の相談事業に変わり、コロナ禍の影響もあって市職員らの現場対応が十分でないという。

 脳性まひの障がいがある子がいる母親からは「委託相談事業所がいてくれないと私たちの生活はどうなるの」と不安の声も上がっている。要望書は市内20の事業所が賛同した。