宮古のエース新里が12奪三振、最速141キロで完投 16強入り 高校野球秋季大会 


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 高校野球の第70回県秋季大会第6日は27日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦9試合を行った。春季大会4強の宮古が7―3で北山に勝利し、球陽が2―0で豊見城南、豊見城が3―0で西原との接戦を制した。興南は14―1で美里工に、八重山が9―1で向陽、具志川商が9―2で八重山商工・宮古工・宮古総実の3校連合チームに勝利した。石川はコザとの延長十回の激戦の末9―8でサヨナラ勝ちし、浦添商が8―6で八重山農林、日本ウェルネスが6―2で中部商を退けた。28日は残りの2回戦1試合を行い、16強が出そろう。


■最速141キロ、12奪三振

宮古―北山 9回表、最後まで力投を見せる宮古の新里勇人=27日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 気鋭の2年生右腕が最後までマウンドに立ち続けた。切れのある直球と多彩な変化球で12三振を奪った新里勇人。「投球で引っ張って、守備から攻撃にリズムをつくりたかった」。有言実行のエースが、宮古を16強に押し上げた。

 中盤までの投球はまさに“快刀乱麻”。ゼロを並べた七回まで被安打3、四死球なしで三塁を踏ませなかった。「相手の攻撃に合わせて投球術を変えられるのが理想」と、この日はフォークなど縦に落ちる球種を五回まで温存。後半から効果的に用いて北山打線を手玉に取った。

 七回には春季大会で記録した自己最速を2キロ更新する141キロを計測したが「出ると思っていた」とひょうひょうと語る。マスクをかぶる来間陽斗も「普段通りのいいボール。低めを意識してリードしたが、立ち上がりから制球も良かった」と太鼓判を押す内容だった。課題は体力だ。「バテると下半身が使えなくなる」と八回から制球が乱れ、終盤2回で3失点。平良栄仁監督は「力じゃなくて、フォームで投げろ」と助言を送る。「序盤、中盤、終盤の投げ方をしっかり考えたい」と自省するエースの出来が、宮古躍進の鍵を握る。

 (長嶺真輝)