那覇軍港の早期移設返還を 那覇市議会が意見書、賛成多数で可決


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意見書について清水磨男氏(右)の質疑に答える賛成者の奥間亮氏(中央)=28日、那覇市議会

 那覇市議会(定数40、欠員2)は28日、9月定例会本会議を開き、「那覇軍港(那覇港湾施設)の早期移設返還を求める意見書」を、議長を除く21対14の賛成多数で可決した。意見書は自民、公明、なは立志会、市民のこころ、なはのみらいの5会派の議員が提出した。5会派に加え、無所属の会の中村圭介氏が賛成した。

 意見書では松本哲治浦添市長が「北側案」を受け入れ、県や那覇市と事実上合意したと指摘し「移設返還と港湾計画改定の取り組みを加速させるべきだ」とした。宛先は首相、知事ら。

 共産党会派は意見書に反対した。ニライ会派のうち社民党、社大党に所属する5人と清水磨男氏、無所属の会の前泊美紀氏も反対した。ニライ会派で政治団体「新しい風・にぬふぁぶし」に所属する金城眞徳氏、永山盛太郎氏は退席した。

 前泊氏は討論で「意見書の趣旨は否定しないが、浦添市長の判断に市民感情や議論が追い付いていない。浦添市の議論を待ってもいいのではないか」と述べた。永山氏は取材に対し「浦添移設に反対はしないが、それ以外の手段もある。今回は判断できなかった」と話した。

 共産とニライは市政与党。一方で、城間幹子市長は浦添移設を容認している。共産の古堅茂治氏は討論で「共産党の主張をオール沖縄に押し付けない。保革を超えた大同団結を大切にする。玉城県政、城間市政を支える」と述べた。