沖縄の特別支援学級、設置増に追いつかない教員育成 免許持たず担当は小学62%、中学58%


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 文部科学省が実施している学校基本調査によると2019年度、県内公立小中学校で特別支援学級を担当する教員のうち特別支援学校教員免許を持っていない割合は小学校266校で62.8%(923人中580人)、中学校150校で58.4%(365人中213人)であることが29日、分かった。特別支援学級数も増加傾向にあり、免許非保持者数が保持者数を上回る状況が続いている。

 下関市立大の韓昌完(ハンチャンワン)副学長は「沖縄県内には特支免許取得課程の大学が琉球大学のみであり、受け入れ定員も限られ育成が追い付いていない。国全体で制度・政策的な改善が必要だ」と話した。

 10年度は特別支援学級を担当する教員のうち、免許非保持者の割合は小学校で42.7%(316人中135人)、中学校で58.5%(135人中79人)だった。10年間で非保持者の割合は小学校で20.1ポイント増え、中学校でほぼ横ばいだった。

 19年度の県内の公立小中学校に設置されている特別支援学級は小学校で908学級、中学校で358学級となっており、10年間で学級数が小学校で2.9倍、中学校で2.7倍に増加した。

 文部科学省は小中学校の教員免許を所有していると特別支援学級も担当できるとしているが、障がいのある児童生徒を担当するため特別支援学校の教員免許を取得することが望ましいとしている。

 県教育委員会は特別支援学級を担当する教員対象に免許法認定講習を実施し、免許取得を支援している。県教育庁県立学校教育課は「認定講習や職員研修を通して特別支援教育の理解と促進に努めている」と話した。
 (吉原玖美子)