「脂乗ってる」給食に沖縄県産和牛 畜産振興公社、コロナ禍で在庫対策


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「県産和牛どん」(左手前)

 新型コロナウイルス感染拡大で売り先が狭まる県産和牛の需要を喚起するため、県畜産振興公社は9月から、県内の小中学校の給食に県産和牛を提供している。29日は南城市立知念中学校で県産和牛の肩ロースを使った「県産和牛どん」が振る舞われた。3年生の兼島ひよりさん(15)は「いつもの牛肉より柔らかくて、脂も乗っていた」と笑顔で話した。

 県産和牛の給食提供は国の補助事業を活用し、2021年2月まで実施する予定。期間中、県内465校に総量約25・4トンの牛肉を提供する。100グラム当たり千円を国が補助する。

 新型コロナの影響で、観光客需要の高い高級部位などの消費が激減し、7月末時点で28・8トンの在庫が県全体で積み上がっている。食肉業者の在庫がだぶつくことで農家で肥育牛が滞留してしまい、枝肉の価格下落にもつながる。

「県産和牛どん」を頬張る生徒ら=29日、南城市の知念中学校

 29日の知念中の給食時間に、JAおきなわ南部地区畜産振興センターの大城一也センター長が食育の一環として沖縄の和牛生産やコロナ禍の現状を説明し、「県産畜産物の応援をしてほしい」と話した。

 県畜産振興公社の運天修理事長は「将来の消費者である子どもたちに、県産牛肉のおいしさを知ってもらい、ファンになってほしい」と期待を込めた。