首里城の所有権求めず 沖縄県 寄付で木材を調達 玉城知事「まずしっかり復元」


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一般質問の答弁に立つ玉城デニー知事=30日、県議会

 首里城火災に伴い国内外から寄せられた寄付金を原資に、県が全焼した正殿の木材を調達して国へ無償譲渡する件で、玉城デニー知事は30日、現時点で国に対して所有権の移転を求める考えはないことを明らかにした。玉城知事は「所有権の移転については議論の対象に上がっていない。まずはしっかりと復元していく」と述べた。當間盛夫氏(無所属の会)への答弁。

 當間氏は所有権の移転を求めないまま、寄付金を使うことを問題視した。これに対し、上原国定土木建築部長は「寄付された県民らの思いに答える必要がある。一日も早い首里城の復興を果たすことを最優先に、城郭内の復元に関わる県の役割について国と協議を進めている」と説明した。

 一方、県は同日、調達する正殿の骨組み「大径材(たいけいざい)」は全524本のうちの175本を県が調達すると発表した。正殿の構造上重要な部材に使用する。

 国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」で大径材の樹種は主に国産ヒノキを使うことが決まった。その上で、過去の首里城で使用されていたとみられるチャーギ(イヌマキ)とオキナワウラジロガシを調達できるかどうか、国が調査を進めている。仮に両樹種の木材が調達できれば「向拝柱」と「小屋丸太梁」の部位に使う予定だ。

 玉城知事は「今後とも国と連携・協力し、首里城の一日も早い復元に向けて取り組んでいく」とのコメントを発表した。