第一航空、沖縄県への訴訟取り下げへ 県内での営業再開を目指す


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(粟国島)

 2015年に粟国空港で発生した第一航空機の事故を巡り、県の補助金減額は一方的で違法だとして、同社(大阪府)が県を相手に起こした損害賠償請求訴訟の取り下げに向けて手続きを始めたことが30日、同社への取材で分かった。同社は県内での営業再開を目指すためとしている。県は請求棄却を求め、争う姿勢を示していた。

 同社の那覇―粟国、石垣―波照間・多良間間への就航のため、県と国は航空機2機の購入費用に19億6千万円の補助金を支出していた。同社は事故後、18年に粟国便を一時再開したものの、その後に事実上撤退した。県は今年3月に補助金交付要綱に基づき、補助事業遂行命令を発出した。遅くとも21年度までに粟国、波照間・多良間路線に就航しないと補助金の返還を求める考えだ。

 粟国村の髙良修一村長は「大変喜んでいる。一歩前進だ。村民が安心して利用できるように村民説明会を実施してほしい」と求めた。