座喜味城跡の復元、写真で振り返る 世界遺産登録20周年で企画 読谷


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多くの来場を呼び掛ける(右から)当山綾乃さん、伊波勝美さん、松田正樹係長=9月24日、読谷村座喜味のユンタンザミュージアム

 【読谷】世界遺産への登録20周年を記念して、読谷村座喜味の世界遺産座喜味ユンタンザミュージアムは企画展「座喜味城跡写真パネル展」を実施している。沖縄の本土復帰後、県内初のグスク史跡整備事業として1973年から85年まで13年かけて行われた復元作業の過程を、多数の写真資料と共に振り返る。同城跡の整備過程に焦点を当てた写真展は初の試み。11月3日まで。

 展示は各年度と整備区画ごとに分けられ、それぞれ修復前の状況や、当時どのような整備が施されたかなどを詳細に解説している。村教育委員会文化振興課の当山綾乃さんによると、修復作業は専門知識のある石工を中心に多くの村民も携わったといい、ほぼ人力で行われたという。

 同課の松田正樹係長は「改めて沖縄戦や基地接収などの歴史を乗り越え今があることも知ってほしい」と話した。企画展を担当した同ミュージアム職員の伊波勝美さんは「資料写真を整理していく上で城壁の曲線美など、600年の歴史がある座喜味城跡の築城技術に驚かされた。ぜひ多くの人にも共有したい」と話した。

 同ミュージアムでは巡回展「世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~」も11月6~23日に開催する。企画展は入場無料(常設展に入場する場合は有料)、毎週水曜休館。