美へのこだわり、芸能継承の試みが評価 琉球伝統芸能デザイン研究室にグッドデザイン賞


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那覇市首里金城町の玉陵で、琉球古典音楽のパフォーマンスをする琉球伝統芸能デザイン研究室の山内昌也代表理事=9月20日(同研究室提供)

 琉球王朝時代の高貴なおもてなしをよみがえらせることを理念に、少人数・小空間で上質な琉球芸能の提供に努めてきた琉球伝統芸能デザイン研究室(山内昌也代表理事)が1日、2020年度グッドデザイン賞を受けた。1957年創設の同賞で、古典芸能を対象とした応募作の受賞は初。美へのこだわりだけでなく、次世代への芸能継承の試みが評価された。

 同研究室は那覇市の識名園や玉陵、琉球料理屋「美榮」などで、歌三線1人と舞踊家1人の形式を中心に、琉球古典舞踊(女踊)を上演してきた。琉球料理や琉球菓子と定期的にコラボレーションし、「琉球の美」を多角的に提供することも大切にしてきた。きぬ擦れや演者の息づかいまで感じられる、特別感のある小空間ならではの舞台は、「芸能の魅力を再発見させる」と高く評価される。

 山内代表理事は「芸術的価値の高みを見いだすための『美学』と『哲学』を構築すべく、SDGsの達成も見据えて活動に取り組んでいきたい」と話した。

 同研究室理事で、琉球食文化研究所研究顧問の西大八重子さんは「沖縄の文化である歌や料理などには人をもてなす思いが込められており、それらは一緒に現代へと受け継がれている。次の活動につながる受賞だ」と喜びを語った。

 受賞記念公演が17日、那覇市の「美榮」である。問い合わせは同研究室ryu―design.or.jp