存在感示した徳本、喜びと反省 「うれしいけど記録がひどい」 陸上日本選手権で初の表彰台


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この日最後の試技で1メートル78に挑む徳本鈴奈=1日、新潟県新潟市のデンカビッグスワンスタジアム

 陸上の日本選手権は1日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで開幕し、女子走り高跳びに出場した徳本鈴奈(那覇西高―福岡大出、友睦物流)が1メートル75で2位に入った。男子100メートル準決勝で1組の桐生祥秀(日本生命)は10秒27の1着で2日の決勝へ進んだ。2組は多田修平(住友電工)が10秒23で1着、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が同タイムの2着。小池祐貴(住友電工)は10秒28の1組2着で通過した。男子やり投げは新井涼平(スズキ)が81メートル57で7連覇。女子は佐藤友佳(ニコニコのり)が59メートル32で初制覇した。同走り幅跳びは高良彩花(筑波大)が6メートル32で2年ぶり3度目の優勝を果たした。女子100メートル準決勝は児玉芽生(福岡大)が11秒53で2組1着、鶴田玲美(南九州ファミリーマート)が11秒57で1組1着。同1500メートルで日本記録を持つ田中希実(豊田自動織機TC)も順当に予選を突破した。

初の表彰台「うれしい」/県記録更新ならず不満も

 今大会で掲げた目標は、自身が持つ県記録を4センチ上回る1メートル84。フィールドに入った徳本鈴奈には笑顔が目立ち、リラックスして試技に臨んだ。1メートル70はバースの上でスムーズに体が弧を描き、1回目で成功。1メートル75も2回目で飛び越え、順調だった。

 続くバーの高さは1メートル78。残ったのは5人。1回目。優勝争いで徐々に緊張感が増す中、「力が入り、助走が固くなってしまった」とジャンプの高さ不足などで下半身がバーにかかり、失敗。その後の2、3回目も上半身はバーを越えたが、1回目と同様なミスで成功とはならず。観客席に2度お辞儀をし、試技を終えた。

 日本選手権では初の表彰台で、会見での第一声は「うれしい」だった。しかし「記録がひどい」と不満げな表情。「勝負どころで自分の跳躍ができるメンタルがまだまだ」「助走から上にしっかり飛び出していかないと」。次々と反省が口を突いた。

 9月の全日本実業団対抗選手権でも2位に入り、全国で存在感を増す徳本。自身に対する厳しさを糧に、さらなる高みへとまい進する。
 (長嶺真輝)


【女子】
▽走り高跳び

(1)津田シェリアイ(築地銀だこ)1メートル78(2)竹内萌(大東大)1メートル75(2)徳本鈴奈(友睦物流)1メートル75