多良間島の「八月踊り」、今年は神事だけ 島民の健康、豊作に願い込め


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豊年を願い祈りをささげる島民ら=9月24日、多良間村字仲筋

 【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の豊年祭「八月踊り」の神事、正日御願(しょうにつうがん)が9月24日、多良間村字仲筋と字塩川で執り行われた。それぞれの御願所に集まった島民らは健康と豊年を神に祈願した。

 八月踊りは例年、旧暦8月8日から3日間かけて島を挙げて執り行われるが、今年は新型コロナウイルスの影響で簡素化し神事のみになった。

 字仲筋の土原(んたばる)御願(うがん)では早朝6時ごろに供え物が並べられた。麦麹(こうじ)と米で作った御神酒を持ったツカサが到着した後、二才頭(にせーたーがしら)とともにお供え物の料理を持って字内の各御嶽に移動し祈願した。「今年はいつも通りの八月踊りはできませんが、神事だけはしっかりと執り行います。来年は奉納余興もできるようにします。多良間島の島民が健康であるように、多良間が豊年であるようにお守りください」と願いをささげた。

 字仲筋の大城隆夫字会長は「来年は一から練習して仕切り直しをしなければならない。来年は今年の分も盛大にやっていこうと思う」と話した。
 (清村めぐみ通信員)