手を取り合い全力で 「まるんな魂」込め運動会 与那国・比川小 転校生にサプライズも


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色紙を手にする上土井姉弟(中央)と記念撮影する運動会参加者ら=9月20日、与那国町の比川小学校グラウンド

 【与那国】与那国町立比川小学校・ひがわ幼稚園(東濵一郎校長・園長)で9月20日、運動会が開かれた。今年は「まるんな魂心にこめて、全力でがんばる比川っ子」をテーマに家族や、地域の人たちが見守る中、園児、児童が練習の成果を力いっぱい発揮した。「まるんな」は与那国方言で手を取り合って協力するという意味。

 本年度は種目を減らし、午前中のみで実施した。エイサーの後のカチャーシーでは、会場にいる全員がグラウンドで舞った。閉会式では、閉会宣言の途中に「ちょっと待ったあ!」と6年生の渡邉麻姫(あさひ)さんの声が上がり、運動会のプログラムには記載されていない「上土井(じょうどい)駿さん、咲子(にこ)さん激励会」が行われた。

 2年前に父親の転勤で、比川小に転入してきた駿さん(1年生)と姉の咲子さん(4年生)。2人の転校が決まった時から教職員、児童らが、サプライズの激励会を準備してきた。激励会では、2人に手紙や県出身の歌手しおりさんの歌「スマイル」をプレゼントした。突然の出来事に、すぐに状況がのみ込めない2人とは対照的に、両親はうれしいサプライズに、涙が止まらない様子だった。

 児童らは上土井姉弟に、比川っ子として共に過ごした2年間で培った「まるんな魂」を忘れず、頑張ってほしいとエールを送った。

 (村松友紀通信員)