神山、戻ってきたエース 石川が粘り勝ち 球陽イレブンは8強ならず 高校野球秋季大会【10月3日】


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 高校野球の第70回県秋季大会第8日は3日、アグレスタジアム北谷などで3回戦8試合を行い、8強が決定した。石川が4―2で球陽に競り勝ち3年ぶり17度目、宮古が9―5で八重山との離島勢対決を制し8年ぶり12度目、具志川商が11―4で美来工科に快勝し2年ぶり5度目、与勝が3―1で首里に勝ち29年ぶり4度目の8強入りを決めた。昨年の秋季大会覇者の沖縄尚学は3―2で知念に競り勝ち4年連続30度目、沖縄水産は7―2でKBC未来を下し4年連続30度目、興南が2―1で豊見城に勝ち2年ぶり32度目、日本ウェルネスが6―1で浦添商に勝ち同校初のベスト8入りを決めた。4日はコザしんきんスタジアムとアグレスタジアム北谷で準々決勝4試合を行う。


◇高校野球秋季大会3回戦 石川4-2球陽(アグレスタジアム北谷)

「おまえらしく」 先輩の言葉で脱トンネル

石川―球陽 完投した石川の神山寛希=3日、北谷町のアグレスタジアム北谷

 石川主戦の神山寛希が自身初という完投を成し遂げた。守りの要の重責から、自信を失いマウンドにさえ上がれないこともあった。スランプを脱し夏季に続いてエースナンバーを背負った右腕が、石川を8強に押し上げた。

 昨年の1年生地区大会で大量失点し「マウンドが怖くなった」と一時は外野へ転向。「投手に戻ろうと思わなかった」という。再びマウンドに上がらせたのは、夏の前に掛けられた先輩からの言葉だ。「おまえらしく思い切りいけ、と背中を押してもらった」。夏季から再び投げだした。

 変化球でカウントを稼ぎ、打たせて取る投球でアウトを量産。八回裏には伊波一星捕手のけん制や、2死三塁での挟殺など野手陣の連係でピンチを乗り切った。狙って二走を刺した伊波は「流れが傾きそうな場面で断ち切り、投手を助けられた」と満足げだ。

 被安打7の3奪三振、与四球3とまずまずの内容も自信になった様子の神山は「失点はあったがみんなが流れを呼び戻してくれた」。戻ってきたエースがさらなる勝利を狙う。

 (上江洲真梨子)