回らぬパス…キングス黒星スタート 宇都宮がクーリー封じる


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 バスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは3日、栃木県のブレックスアリーナ宇都宮で宇都宮ブレックス(東地区)と開幕戦を行い、61―73で敗れた。強度の高い守備を継続した相手に対し、得点が伸びなかった。4日も同会場で宇都宮と対戦する。

(宇都宮市体育館、2114人)
宇都宮 1勝
 73―61(17―14,13―11,24―16,19―20)
キングス 1敗


ゴール下の競り負け要因 パス滞り、個人技頼みに

鋭いドライブからレイアップシュートに持ち込むキングスの岸本隆一=3日、栃木県のブレックスアリーナ宇都宮(長嶺真輝撮影)

 敗因はアシスト数に如実に表れた。キングス10に対し、出場全員が得点を挙げた宇都宮は21。キングスはパスの流動性が上がらず、得点を伸ばせなかった。

 要因はゴール下での競り負けだ。ジャック・クーリーが得点や攻撃リバウンドで存在感を発揮し、相手の守りを収縮させ、内外からゴールを射抜くのがキングスの攻撃スタイル。しかし、ジョシュ・スコットが加入した宇都宮はクーリーを自由にさせず、パスが回らなくなったことで各選手の個人技に頼らざるを得なくなった。

 わずか25点に終わった前半を振り返り、岸本隆一は「クーリーにもっとテンポ良く得点をさせたかった」と反省。後半はガード、フォワード陣がドライブを仕掛けて相手守備を分断し、内外から得点した。ただ後半は悪い流れから守備で相手をフリーにする場面も目立った。「ネガティブになったら、自分からハッパを掛けたい」と次戦へと気合を入れ直した。

 高い得点力が期待される今村佳太も「ボールを持つ選手が限られてしまった」と攻撃面での修正点に言及。「フォワードがもっとプレーメークし、攻撃に絡まないといけない。もっと自分で点を取る意識でやりたい」と改善を誓った。

 (長嶺真輝)


復帰の田代主将、激しい守備で引っ張る

ミドルシュートを狙う田代直希

 頼れる主将が公式戦に戻ってきた。昨季、けがで途中離脱した田代直希。強豪宇都宮に力負けしたが、持ち味の激しい守備でチームを引っ張り「守りはそこまで悪くない。今日以上にハードにできれば、次はもっといい展開になる」とリベンジを誓った。

 コロナ禍での自粛期間中は自宅でリハビリし「モチベーションを保つのが難しった」という。しかしファンからの「頑張って」「応援してます」の声掛けで前を向けた。「勝った負けただけでなく、もっと熱量を伝えたい」。気持ちを新たにする田代が、ぶれない決意で先頭を走る。