米軍宇宙部隊、沖縄に9月配置 衛星監視し駐留部隊の作戦支援


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 在沖米軍に米宇宙軍の部隊が創設されたことが3日までに分かった。米国と同盟国のための衛星通信の監視のほか、沖縄に駐留する米海兵隊の第31海兵遠征部隊や陸軍部隊の作戦などを支援する。県内に米宇宙軍の部隊が配置されるのは初めて。

 嘉手納基地のホームページによると、県内初の米宇宙軍部隊は空軍から移転した兵員で構成される「第16宇宙管制隊」で、9月に配置された。キャンプ・キンザー(牧港補給地区)での発足式典の様子が紹介されている。

 米宇宙軍は陸軍、海軍、空軍、海兵隊などと並ぶ新たな軍種として、トランプ大統領の指示により2019年12月に創設された。陸海空軍の宇宙分野の機能を統合し、1万6千人規模で宇宙空間の監視やミサイル早期探知といった宇宙領域の作戦を担う。中国やロシアが開発している衛星攻撃兵器(ASAT)に備えた衛星網の強化を掲げている。

 今年8月下旬には米宇宙軍制服組トップのレイモンド作戦部長が来日し、安倍晋三首相(当時)や河野太郎防衛相(同)と会談。デブリ(宇宙ごみ)や他国衛星の監視を含む宇宙状況監視(SSA)など宇宙分野での連携強化を確認した。防衛省も今年5月に、航空自衛隊にこうした役割を担う宇宙作戦隊を発足させている。

 (當山幸都)