ボートこぎ、車の屋根の女性を救助 5月豪雨で冠水 八重瀬・渡嘉敷さん「小さな親切」章


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渡嘉敷真治さん(右)と推薦した仲村正樹さん=9月25日、世名城公民館前

 【八重瀬】公益社団法人「小さな親切」運動本部(代表・鈴木恒夫元文部科学大臣)は9月25日、沖縄県八重瀬町世名城の渡嘉敷真治さんに「小さな親切」実行章を贈った。

 今年5月6日午前6時半ごろ、記録的な集中豪雨で報得(むくえ)川の支流が氾濫し、冠水した道路を通行していた軽自動車がボンネット近くまで冠水し停止。運転していた女性はボンネットから車の屋根に上がり必死に携帯電話で救助を求めていた。現場にいた町職員が近くに住む世名城公民館館長の渡嘉敷さんに電話して対応を依頼した。

 渡嘉敷さんは息子が釣りに使う手こぎのボートを倉庫から出し、屋根に必死でしがみついている女性を救助した。

 この話を聞いた元職場の同僚で行政書士の仲村正樹さんが「小さな親切」運動本部に推薦状を送った。仲村さんが代理で渡嘉敷さんに手交した。

 渡嘉敷さんは「流れが早くボートが押し流された。ガードレールに引っかかり助かったが、(ガードレールが)無ければ報得川に流されていたかもしれない」と語った。今回の件を踏まえ、危険な道路の進入口に通行止めのロープを張るか、看板を立てる対応をしてほしいと要望していた。
 (喜屋武幸弘通信員)