水中眼鏡「ミーカガン」を国文化財に 市制50年伴い糸満市長ら文科省要請


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】當銘真栄糸満市長は9月30日、文部科学省に鰐淵洋子政務官を訪ね、市指定民俗文化財の「ミーカガン(水中眼鏡)及び製作具一式」の国重要有形民俗文化財指定と、市指定史跡の南山城跡の国史跡指定、世界文化遺産登録への支援を要請した。市長らによると鰐淵政務官は「糸満の漁労具一式として国指定を目指してはどうか。全力で応援する」と応じたという。

 要請には、秋野公造参院議員と金城幸盛糸満市議らが同行した。當銘市長は要請で「約130年前に本市で考案されたミーカガンは現在、世界中で使用されている競泳用のゴーグルとほぼ同型で、当時から高機能性とデザイン性を備えていたことがうかがえる」と文化的価値を強調した。要請後には「来年は市制50周年を迎えるので、それに合わせて指定してもらいたい」と期待感を示した。

 NPO法人ハマスーキが保有するミーカガンと製作具一式は昨年、市の民俗文化財(有形)に指定された。ほかにもハマスーキには、漁網やサバニなど沖縄の漁業の歴史を語る上で重要な漁具資料が保管されているという。南山城跡は市が国指定に向けて2010年度から国庫補助事業で測量調査を進めており、14~15世紀頃の中国製陶磁器が多く確認されている。

ミーカガンと材料のモンパノキ(方言名ハマスーキ)
ミーカガン(水中眼鏡)と南山城跡の国文化財指定を文科省の鰐淵洋子政務官(奥中央)に要請する當銘真栄糸満市長(右)=30日、文部科学省