具志川商、初の4強 相手エース攻略、継投も奏功 高校野球秋季大会


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◇高校野球秋季大会準々決勝 具志川商8―3宮古(10月4日、アグレスタジアム北谷)

 

 高校野球の第70回県秋季大会第9日は4日、コザしんきんスタジアムとアグレスタジアム北谷で準々決勝4試合を行い、4強が決まった。具志川商は8―3で宮古に勝利した。秋季九州大会の代表校が決まる準決勝は10日午前10時から、コザしんきんスタジアムで行われる。

具志川商―宮古 9回1死三塁 ダメ押しの適時打を放つ具志川商の狩俣伊吹=4日、アグレスタジアム北谷(大城直也撮影)

 具志川商は初のベスト4で新たな歴史を刻んだ。打線が宮古の好投手を攻略し、喜舎場正太監督が「総力戦でいくと決めていた」という3投手の継投策がぴたりとはまった。

 主将の粟國陸斗が初先発。今大会初めてのマウンドを楽しむように、テンポよく投げ込んだ。四回に失策絡みで失点したが、後続を断つ。伊波勢加(せねか)、新川俊介の継投で、打線を抑え込んだ。

 マスクをかぶった比嘉力太が打者の分析など、投手陣と密に意思疎通。「一つ一つのアウトを丁寧に取っていこうと声を掛け合った」と好リードした。

 打っては4番・狩俣伊吹が大車輪の活躍を見せた。初回の先制打、五回の逆転適時打で勢いを呼び込んだ。「球が速くても振り抜けば打てると思っていた」と期待に応えた。

 打線は事前に「相手投手は連戦の疲れもあるから低めは見逃して高めを振っていこう」と確認していた。逆転した五回は、さらに比嘉が適時二塁打で続き、一挙に4点を挙げた。

 具志川商出身で母校を4強に導いた喜舎場監督は「ベンチメンバーを含め、日々チームの成長を感じている」と団結力を誇った。
 (大城三太)

新里けがも意地の力投/宮古

 宮古のエース・新里勇人は打ち込まれながらも九回まで177球の力投だった。五回につかまり、守備のもたつきなどで4点を失うと、終盤も打ち崩された。

 2日前の練習中に右足首をひねって万全の調子ではなかった。その状態で3回戦の八重山戦を七回途中まで投げ、この日も完投した。

 最速141キロの直球を武器にチームを8強に導いた。「まだ制球が課題。スピードもまだまだ上がる。冬に鍛えて次も8強以上を目指す」と前を向いた。

 平良栄二監督は「3試合戦えたことは大きな経験。よく頑張ってくれた」と選手をたたえた。


▽準々決勝
沖縄尚学 8―4 沖縄水産
与勝 10―2 石川(七回コールド)
興南 1―0 日本ウェルネス
具志川商 8―3 宮古