興南、虎の子の1点死守 エース山城、投打で大車輪 高校野球秋季大会


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◇高校野球秋季大会準々決勝 興南1―0日本ウェルネス(10月4日、コザしんきんスタジアム)​

 

 高校野球の第70回県秋季大会第9日は4日、コザしんきんスタジアムとアグレスタジアム北谷で準々決勝4試合を行い、4強が決まった。興南は日本ウェルネスとの投手戦を1―0で制して、2年連続24度目のベスト4入りとなった。秋季九州大会の代表校が決まる準決勝は10日午前10時から、コザしんきんスタジアムで行われる。

日本ウェルネス―興南 7回裏1死満塁、決勝点につながるゴロを放つ興南の山城京平=4日、沖縄市のコザしんきんタジアム(新里圭蔵撮影)

 息詰まる投手戦を興南がものにした。春季、夏季と黒星を喫していた相手だっただけに「ここがヤマ場」(我喜屋優監督)と接戦になるとの読み通り、スコアは動かぬまま七回裏に突入した。

 先頭打者の徳嶺光真が甘く入った直球を右前に運び次打者につなぐ。「先発が力投する中、なんとかバットで貢献したくてとにかく振り抜いた」。四死球などで塁を埋め、1死満塁で打席にはマウンドで踏ん張り続けてきた9番・山城京平。

 内野ゴロの間に三走の徳嶺が虎の子の1点となる生還を果たした。「1点までが遠かった」。全員でつないだ得点を最後まで死守した。

 エース山城は被安打3の与四死球4、11奪三振と好投。これまでの直球中心から、変化球を織り交ぜ手玉に取った。大会を通じて活躍するエースの成長ぶりに我喜屋監督は「(零封で)完投したのは成長の証し」と太鼓判を押した。

 同校出身のオリックスの宮城大弥がプロ初登板した。そんな日に完封勝利を挙げた山城は「目標とする先輩に少し近づけたかな」と自信を付けた様子だった。
 (上江洲真梨子)

東恩納好投も勝利に届かず/日本ウェルネス

 日本ウェルネスのエース、東恩納音(おと)の好投も勝利には一歩届かなかった。完投した前日の3回戦から連続登板だったが、打たせて取り、要所での三振と安定していた。七回途中でやむなく降板し、「投球内容の全てを見直して春に懸けたい」と早くも闘志を宿していた。

 強打を武器に春、夏と打順上位を担ってきた平良一葵主将も、この日は興南の山城に苦しめられて快音を響かせることはできず。「絶対負けない気持ちで挑んだが、全然駄目。悔しい」と反省ばかりが口を突いた。接戦の末、最少失点での敗退だが「この1点が実力差。打撃、守備にしても改善点が多い」。悔しさを胸に刻み、厳しいトレーニングが待つ冬へと向かう。


▽準々決勝
沖縄尚学 8―4 沖縄水産
与勝 10―2 石川(七回コールド)
興南 1―0 日本ウェルネス
具志川商 8―3 宮古