開催中の高校野球秋季大会には10校が三つの連合チームとして出場した。開邦、南部農林、辺土名と組んだ久米島は、昨夏以来の県大会出場を果たした。部員がおらず、部活動自体が休止となっていたが、今春入学した2人が入部。たった2人では練習メニューも限られ、試合もそうそうかなわないが野球部以外の教諭らも2人の活動を後押ししてくれている。
2人だけの部員はともに投手の吉永結と安里祐介。1回戦の八重山との対戦がデビュー戦となった。コールド負けを喫したが、「楽しみながら臨めた」と野球をできる喜びをかみしめている様子だった。
昨夏の全国選手権沖縄大会には単独で出場。大会後、3年生が引退すると部員は10人以下に落ち込んだ。さらに転校や退部などもあり、ことし1月からは活動休止となっていたという。
先輩たちのいない中でも入部を決めた安里は「友達からの勧めもあり、野球を続けたいと思った」、吉永は「島の活性化のためにも高校野球をやりたかった」と思いを打ち明ける。
八重山戦は安里が三回にマウンドに上がって1アウトを取ると、吉永が継投して2人で1イニングを務めた。チームは初戦で敗れたが2人は「途中からは緊張もほぐれた。純粋に楽しめた」と、連合を組んだ他校の仲間ともうまくコミュニケーションができた様子。ユニホームの胸の“久米島”の文字を強調するように胸を張ってみせた。