4強が九州懸け激突!< 県秋季高校野球 戦力分析・上 >


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第70回県高校野球秋季大会は10日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝を行う。午前10時開始の第1試合は2年連続9度目の制覇を狙う沖縄尚学と同校初の県大会制覇を狙う与勝が相まみえる。第2試合は10年ぶり9度目の優勝を狙う興南に、同校初の県大会優勝を見据える具志川商が激突する。両カードとも見逃せない熱戦が予想される。決勝進出の2校は、来春の選抜大会出場の参考資料となる九州大会(31日~11月6日、長崎県)の出場権を獲得する。4校の戦力や試合の見どころを紹介する。

力投する与勝の牧門愛斗

与勝 積極的攻撃で勝機

 

<攻撃力>

 打率5割の9番・山口登生に5割4分5厘の5番・比嘉徳人など、どこからでも打てるのが強み。チーム打率は3割6分4厘。準々決勝は先発8人が安打を放ち勢いに乗る。一方、残塁43は4強中最多。ヒットエンドランや盗塁など積極的な攻撃で得点圏に走者を送り、ビッグイニングを演出したい。同校初の優勝も期待される中、気負わず与勝らしいつなぐ打線が実現できれば勝機は見えてくる。

<守備力>

 牧門愛斗と又吉和輝の2枚看板で勝ち上がってきた。両投手とも防御率は約2・5で、変化球を中心に打たせて取る。被安打は多いが、野手陣が力投する投手をもり立て確実にアウトを重ねたい。4試合で失策3とミスから崩れることはなく、自慢の打線で投手陣をフォローする。小技を絡めた積極的な攻撃を仕掛ける沖尚打線に対し、集中力を切らさずに落ち着いて対応できるかが重要だ。

 

つなぐ野球大事に

 仲宗根寛史監督 選手たちは試合ができること自体が楽しいと感じている。打線をつなぐ野球ができるかが大事になる。

初回から集中する

 比嘉優主将 挑戦者の気持ちで初回から集中して戦いたい。先発争いも激しく、誰が試合に出ても勝てるようにしっかり挑む。
 

打率7割5分を誇り、守備でも好プレーが光る仲宗根皐主将

沖尚 上位の打率5割超

 

<攻撃力>

 チーム打率は3割7分1厘で上位打線は打率5割超えの選手がひしめく。仲宗根皐は7割5分の4打点、本塁打を放った知念大河は5割7分1厘で7打点を誇る。前に走者をためたい。犠打飛14は4強中最多。チーム盗塁7のうち、四つを決めた下地泰世を中心に相手守備にプレッシャーをかけ、流れを引き寄せたい。終盤まで集中力を切らさず普段通りのプレーで勝利をつかみたい。

<守備力>

 技巧派の右腕・後間翔瑚が打たせて取る投球で防御率1・5。コースを幅広く使った丁寧な投球でアウトを重ねてきた。ここまで登板のないエース・當山渚の起用にも注目が集まる。内野手の好プレーもあり堅守は今年も健在だ。特に昨年の秋季九州大会も出場した仲宗根皐遊撃手が鉄壁の壁となり長打を許さない。力投する投手陣を野手がリードし、守備から攻撃へと流れをつくりたい。

 

打線止め決勝挑む

 比嘉公也監督 多種多様な勝ち方でここまで来たことがチームの糧になった。与勝のつなぐ打線をきちっと止め決勝に挑む。

先制点奪いたい

 仲宗根皐主将 初回から積極的な打撃で先制点を奪い勝利の流れを引き寄せたい。与勝の連打を止められれば勝利も近い。
 

 見どころ 

 

 4年連続4強入りという常勝・沖縄尚学と初の4強進出で快進撃を見せる与勝の対決。1試合平均安打は、ともに2桁安打を記録している。相手投手を攻略する適応力を備えていると言える。好機に着実に得点できるか。両チームとも継投で勝ち上がってきただけに、そのタイミングも鍵となる。沖尚が誇る堅守で与勝の攻めをいかに防ぐか、与勝が畳み掛けるような攻撃で、沖尚を打ち崩せるか。いずれも接戦を勝ち上がってきた。大事な一戦でその経験がどう生きるか。我慢強いプレーで局面打開を図りたい。